山形では、かつては普通(ふつう)に見られた植物で、「むすのごだんま」、「かみぬけしたえなれぼんぼこーえなれ」など、多くの方言(ほうげん)で呼(よ)ばれ、親(した)しまれてきました。斎藤茂吉の短歌(たんか)には、オキナグサが詠(よ)まれたものが多くあります。 おきなぐさに 唇(くちびる)ふれて 帰りしが あはれあはれ いま思ひ出でつも 最上川 ながれゆたけき 春の日に かの翁(おきな)ぐさも 咲(さ)きいづらむか