ある動物や植物の最後(さいご)のひとつの個体が死んでしまい、受け継(つ)がれてきた命が途絶(とだ)え、永久(えいきゅう)にいなくなってしまうことを絶滅(ぜつめつ)といいます。
自然界(しぜんかい)ではいつも競争(きょうそう)があり、生物どうしの争(あらそ)いで滅(ほろ)んだ動物もたくさんいます。しかし、現代(げんだい)では人間の活動(かつどう)が原因(げんいん)となって、絶滅(ぜつめつ)している場合(ばあい)が多く、またそのスピードも以前(いぜん)とくらべものにならないほど速(はや)いことが問題(もんだい)となっています。
山形県(やまがたけん)は蔵王(ざおう)、鳥海(ちょうかい)、西吾妻(にしあずま)や出羽三山(でわさんざん)などの山々、日本海(にほんかい)に囲(かこ)まれています。また、最上川(もがみがわ)をはじめとする大小の河川(かせん)や湖沼(こしょう)、湿原(しつげん)、里山(さとやま)など変化に富(と)んだ自然環境(しぜんかんきょう)があり、こうした豊(ゆた)かな自然は多くの生き物を育(はぐく)んでいます。
しかし、山形県でも人間のさまざまな社会活動(しゃかいかつどう)により、森林(しんりん)や湿地(しっち)が減(へ)り、里山(さとやま)など、人が手をかけることで維持(いじ)されてきた身近(みぢか)な自然環境(しぜんかんきょう)が変化(へんか)しています。
その変化によって、昔(むかし)からよく見られていた動物(どうぶつ)や植物(しょくぶつ)が、県内で見られなくなってきているのです。それを山形県の絶滅種(ぜつめつしゅ)といいます。
山形県の絶滅種は、動物では、ニホンオオカミ、ニホンカワウソなどがあげられます。植物では、ナガバノウナギツカミ、エゾツツジ、フサタヌキモなどがあります。